Homing
Homing is a film without dialogues
Dance-film
A girl who was bought up by a pack of wolves returns to the city. Along her way she comes across different characters who transform her behaviour. Homing represents a journey from the wild world to a life in society.
ホーミング
監督 Xabier Iriondo
ダンス映画監督たちへのメールインタビュー
A Mail Questionnair to Dance Film Director
まず最初に、あなたについて教えてください。どういう作品を作ってきましたか?
Xabier Iriondo: ずっと低予算の映画を撮ってきました。そのほとんどがドキュメンタリーか、田中泯さんと作った「Field」という作品(私の仕事のうち一番重要なものです)のようなお話のないノンフィクションの短編です。
「ホーミング」は私にとって最初のフィクション映画であり、最も商業的な作品になりました。FilmotiveのIñaki Sagastumeのようなプロデューサーと仕事をしたことは今までになく、彼の力なしにはあり得ない企画でした。
私の仕事はどれも互いに似ていなくて、一つ一つを関連づけるのは難しいです。言えることがあるとしたら、私は自然と都市の関係に興味があるのかもしれません。
衣装が印象的でした。動きは日常のものではないのに、着ているものはカジュアルな印象を受けました。どうやって決めたのですか?
Xabier Iriondo: 衣装デザイナーがいなかったので、振付家のMarina Mascarellと相談して現実的に決めていきました。快適に踊れる、Navarra(※訳者註 ナバラ。スペイン北部の地域。)の森や土地で見かけるような色彩の服が必要だということになりました。ただ、メインキャラクターには青いドレスが欲しかっ た。彼女は森に属さないからです。靴も他とは違っています。
画面から場所の匂いや、出演者の息づかいが伝わってきました。そういう空気感を出すために、撮影や編集で工夫している点はありますか?
Xabier Iriondo: 天然の光と音が欲しかったので、音や視覚のエフェクトは何も使っていません。ロケーションも非常に大事で、その点われわれは幸運でした。冒頭のシーンに霧 が欲しかったとき、ちょうどかかっていました。ソロシーンにも霧雨が欲しかったのですが、それも降っていました。努力と運ですね。Iñakiは土地を誰よ りもよく知っていました。
録音は必ずカメラと同じ位置で行いました。 重要なのはダンサーがカメラに近づく時に、彼らの音に耳を澄ませることです。撮影場所の静寂はFernando Aguirreが自然な音を取るのを助けてくれました。 Iñigo Ugarteburuの音楽やIosu Gonzalezの音の調整は、この率直で自然な録音を尊重してくれました。
ダンサー達はお互いに触れて、じゃれあうように動くパートがあります。あの動きは即興でしょうか?即興だとしたら、何テイクくらいしたのでしょうか?
Xabier Iriondo: あれは即興ではありません。力強さと早さを重視した森を駆け抜けるパート以外に、即興はしていません。Marinaは撮影前にスタジオでダンサー達と稽古を重ねていました。テイクはどれも一、二度です。たまに三度のものもありました。
ダンスをしないシーンのほうがテイクを重ねました。振り付けからの移り変わりの部分などです。主演のCarolinaとカメラマンはお互いのことを理解していなければなりません。少しずつ掴んでいった結果、彼女のことを自然で綺麗に撮れたと思います。
Homingという題が、色々と連想させます。あなたの故郷はどういう所ですか?
Xabier Iriondo: 私のガールフレンドのAndreaがこのタイトルを思いついてくれました。森から街に移る女の子について作品をつくるつもりだと私が言うと、彼女は動物が 産まれた場所に戻ってくる現象である帰巣本能、ホーミングについて教えてくれました。自分は海と山に囲まれたZarautzで育ちましたが、今は騒音と公 害でいっぱいのマドリッドで暮らしています。自分がどこに属するのか、まだよくわからないんです。